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ビール用語集

■ホップの用語


用語 別名 概要
ビタリングホップ
(Bittering hop)
ビターホップ 苦味を加えるためのホップ。煮沸時前半に加える。一般的にアルファ酸が高い。
アロマホップ
(Aroma Hop)
フィニッシングホップ 香りやフレーバーを加えるためのホップ。煮沸の後半やドライホップ時などに加える。一般的にアルファ酸が低く苦味あまりない。
ノーブルホップ
(Noble Hop)
ファインアロマホップ 伝統的なヨーロッパのアロマホップ4種類(ハラタウ・ミッテルフリュー、ザーツ、シュパルター、テトナンガー)を指す言葉。
球花(きゅうか)
(hop cone)
毬花(まりはな) ホップの雌株が持つ花。ビールに苦味や香りをもたらす原材料。
ルプリン
(Lupulin)
ホップの球花の中にある黄色い粒。苦味やアロマの元となる成分が含まれている。
アルファ酸
(Alpha Acid)
フムロン(Humulone),α酸 ホップに含まれる苦味の成分。ビールの煮沸工程でイソアルファ酸に異性化することで麦汁に溶けやすくなりビールに苦味がつく。
ベータ酸
(Beta Acid)
ルプロン(Lupulon),β酸 煮沸工程でも異性化しないため麦汁に溶けずビールへの影響は少ないとされるが、酸化が進むと苦味成分とオフフレーバーの原因となる成分が作られる。
コフムロン
(Co-Humulone)
ビールに苦味をもたらすが、アルファ酸に比べて荒く不快な苦味となると言われる。
Cホップ
(C-HOP)
C系ホップ Citra, Centennial, Citraなどの頭文字にCがつくアメリカンホップの総称。柑橘系のアロマを特徴にもつ。

■醸造工程の用語


用語別名ざっくりとした説明
酸休止
(Acid rest)
アシッドレスト麦芽を酸性にする工程。(通常特に行わなくても既に酸性となるため省略可)
マッシング前の麦芽に水を加え、35℃に保持することでフィターゼという酵素を活発にさせフィチン酸を発生させる。
麦芽がアルカリ性だと麦芽の殻から不快な収斂臭や渋みがでやすくなる。
タンパク休止
(Protein rest)
プロテインレスト麦芽のタンパク質をアミノ酸に分解する工程。
マッシング前の麦芽に水を加え、50℃に保持することでプロテアーゼという酵素を活発にする。
(一般的には30分程度が目安)
タンパク質すべてを分解できるわけではないができたアミノ酸はビールに旨みを与えたり、酵母のエサとなる。
マッシング
(Mashing)
マッシュ、糖化麦芽のデンプンを糖に変える工程。
麦芽に水を投入し62~67℃程度に保つと、麦芽の酵素が活性化しデンプンを糖に分解する。
酵素にはαアミラーゼ、βアミラーゼ2種類存在し、活発になる温度や分解の度合いが異なる。
どちらの酵素を活発化させるかによって分解の度合いが異なりビールの味も変わってくる。
60分~90分程度が目安。
マッシュアウト
(Mash out)
酵素失活化マッシング後に酵素の働きを止める作業。
77℃以上の温度を5分間程度保持することで酵素を失活させる。
ロータリング
(Lautering)
ろ過マッシング後にできた麦汁から、麦芽かすを分離する作業。
この時にできた麦汁は、いわゆる一番搾り麦汁と呼ばれる。
スパージング
(Sparging)
スパージ、散水ローターリング後の麦芽かすから、残った糖分を更に取り出す作業。
お湯を麦芽かすに通してさらなる麦汁を抽出する。
場合によりスパージングは行わない場合もある。
ボイル
(Boil)
煮沸ホップを麦汁に投入し一定時間沸騰させる工程。(60分程度が目安)
麦汁の殺菌と余分なタンパク質を熱凝固させ除去できるようにする。
また、ホップ投入により苦味や香りづけを行う。
ホッピング
(Hopping)
ホップ投入煮沸中の麦芽に、苦味を目的にするビタリングホップや、香りづけを目的とするフィニッシングホップを投入する。
長く入れれば苦くなるが、香りは飛ぶ傾向にあるため目的の苦味と香りによって投入時間や投入量が異なる。
ワールプール
(Whirlpool)
かき回しボイル後の麦汁をかき回して、沈殿物を集める作業。(直訳すると渦巻き)
ろ過しきれなかった麦芽かすや投入したホップかす、熱凝固した余分なタンパク質が回転により沈殿させ分離させる。
レシピによりこの工程でフィニッシングホップを投入することもある。
チリング
(Chiling)
冷却煮沸した麦汁を急冷させる工程。
麦汁に酵母を入れるため酵母が生きられる温度(25℃前後)まで冷やす。
急冷することで雑菌が増殖する前に酵母を増殖させ、麦汁を汚染から守る。
ピッチング
(Pitching)
イースト投入麦汁に酵母を投入すること。
投入された酵母は麦汁の糖分を糧に発酵を行う。
エアレーション
(Aeration)
空気混和麦汁に酸素を混和させること。
これにより、酵母が酸素を取り込みやすくなり増殖が促進される。
1次発酵
(Primary fermentation)
主発酵酵母が麦汁内の糖分を発酵させる工程。
麦汁に酸素がある場合、酵母は酸素を取り込み糖をエネルギー源にして増殖を行う。
その後麦汁内に酸素がなくなると、アルコールと二酸化炭素を発生させる。(嫌気性の代謝)
ラッキング
(Racking)
折り引き発酵容器から別の発酵容器にビールを移動させる工程。
この作業により発酵で発生する休眠した酵母の沈殿物(トリューブ)や余分な固形物(クラウゼン)をビールから分離でき、不快な匂いや味(オフフレーバー)の発生を抑えることができる。
2次発酵
(Secondry fermentation)
後発酵折り引き後のビールを別容器で熟成させる工程。
酵母の働きにより1次発酵で発生したオフフレーバーをある程度分解させることができる。
ドライホッピング
(Dry hopping)
ドライホップビールにアロマを付けるため発酵中のビールにホップを晒すこと。
ビールに更なる香りを付けることができるが、余分な苦味を付けてしまったり雑菌による汚染のリスクがある。
プライミング
(Priming)
糖投入糖分を投入してビールに炭酸を与える。発酵後期には既にビール内に糖分がないため、追加で糖分を加え、イーストによる二酸化炭素を発生させる。折り引き後の2次発酵またはボトリング後のビールに糖分を加える。
ボトリング
(Bottling)
ビン詰め発酵が完了したビールを瓶(ボトル)に詰める作業。
樽詰め
(kegging)
ケギング発酵が完了したビールを樽(ケグ)に詰める作業。
ボトルコンディショニング
(Bottle conditioning)
瓶内発酵ビン詰後の貯蔵されている間にもビールを熟成させること。
瓶内に残存する酵母の働きで発酵させる。